ネックラインはFXのチャートパターンでよく出てくるトレード用語だ。
ダブルトップやダブルボトムなどでネックラインを意識しているトレーダーも多いだろう。
しかしながら、ネックラインの意味や、ネックラインを基準にしたトレードで利益を得ることができなければ、ネックラインを使ってトレードする意味もわからなくなってくるもの。
なぜネックラインを意識しなければいけないのか?
実際にネックラインで勝つことはできるのか。
そういった考えが僕にはあった。
だから初心者の頃、ネックラインの重要性を知ったとき、どんどんチャートパターン研究にはまっていった。
僕は今まで相場を研究するなかでチャートパターンはトレードの要であることを意識してきた。
とても重要なラインだけに、今では「ネックライン」だけでデイトレードの判断をすることもある。
今回のチャートパターン解説は、そんな「ネックライン」について述べていきたい。
もくじ
①ネックラインの意味
なぬっネックラインってなに、首の線?
と悩んでしまうかと思うが、ネックラインはそんなに難しく考えなくていい。
ネックラインの意味は、こうだ。
高値を更新しなかった高値を下抜かれた安値の位置。
安値を更新しなかった安値を上抜かれた高値の位置。
つまり、ネックラインは高値を更新できない手前の安値、安値を更新できない手前の高値ということ。
押し安値になった値段、戻り高値になった値段になる。
高値の1つ前で止まった値段、安値の1つ前で止まった値段のことなのだ。
僕の文字ではわかりにくいと思うのでこの画像をみてほしい。
高値、安値の1つ手前にあるラインがネックラインになる。
画像では、相場が下げている局面の場合を例にして述べている。
もちろん、相場が上げている局面ではこの逆になる。
相場は、画像の①でいったん下げ止まっているが、少し上抜いた、そして再び下がって②に到達した。
この時点でいえることは、①から②に値段が動いたということだ。
今の局面でいうなら、②は、①より値段が安い、つまり最安値ということになる。
最安値である②の手前上に①と③と④の値段に水平線があるが、
僕はこの場所をネックラインとして日々トレードを行っている。
つまり、最安値である②到達しない1つ後ろの値段のことをネックラインと呼ぶ。
1つ前の値段がなぜネックラインとして意識されるのか。
それは、ネックライン付近で買いと売りをしかけるトレーダーが多いからだと感じている。
つまり、①と③と④のように、その水平ラインで何度も止まることが多い。
止まる確率が多いということで、トレード判断の基準になっているトレーダーも多いはずだ。
②ネックラインの引き方
ネックラインの引き方は、高値と安値の1つ手前の上げ止まった値段、下げ止まった値段で引くことが出来る。
この画像では、上げ止まった値段と下げ止まった値段の中間に引いている。
つまり、高値や安値をつけた部分を超えなかった1つ手前の「押し目や戻り売り」のところにラインを引く。
ネックラインの引き方は相場が押し安値になった部分や、戻り高値になった部分に引くのが理想的だと感じている。
よくサポートラインやレジスタンスラインといわれている水平線があるが、
その水平線になった原因の部分を詳細にみてみるとネックラインが見えてくる。
サポートラインやレジスタンスラインは天辺の天井付近や底の最安値付近の値段に線を引くことになるが、その1つ手前をみてみると、サポートラインやレジスタンスラインになる手前の線というものが必ず存在しているので、その部分をみつけてみると、ネックラインが引ける部分があると思う。
③ネックラインの思考法
僕はデイトレードを基本としているが、ネックラインだけでその日の相場の状態を確認することもある。
この記事作成前にユーロドルがネックラインに近い部分まできていた。
ここでトレードするとかしないとかいうことではなく、
ネックライン形成になった節目でどう動く相場になっていくのかとても興味深いチャートになっている。
だから今回は、EURUSD(ユーロドル)1時間足の動向に目をむけていたのだ。
ネックライン形成後の展開によっては、相場の展開がまた大きく変わってきそうな展開だと感じているが、
実際には相場の未来がどう動くのかはわからない。
だが、ネックラインを引いたことに基準ができる。
この部分でどう動くのかによって、相場参加者の動きを一瞬だけ感じ取ることができるからだ。
そして、なぜこれほどまでにネックラインが意識されるのかを理由づけできるのがこの画像だと思う。
この画像は、ネックラインが意識されているチャートパターンともいえるのではないだろうか。
しかしながら、あくまでもネックラインが正しく機能するということをいっているのではないことを了承してほしい。
ネックラインが機能することもあるし、ネックラインがまったく機能しないこともあるということ。
すなわち、相場に正解はないというのが僕の思考だ。
数あるテクニカルやチャートパターンがあるが、絶対的な正解はないと感じている。
どのようなものでも、絶対的なものはないと思う。
ただ、地図でいうなら、目的地に向かうための道標をみることができるのがチャートだと思っている。
相場に地図は必要であり、チャートこそすべての結果である。
その中でうごめく値段の行き場所は、チャートからみるしかない。
その指標の中で、僕が感じ取れる部分=チャートパターンは、迷路から抜け出すための道標ともいえる。
例えチャートパターンをみて違う判断をしてしまったとしても、
チャートパターンはなにも悪くないのだ。
今回の自分の見方が間違っていたとあっさりと損切りするだけである。
思考は、道標がないと思考も準備をはじめることはない。
だからこそチャートパターンをみて本当にたどりつくことができる道を探すのだ。
僕はチャートパターンを常にそう捉えている。
ここで感じるのは、今回のEURUSD(ユーロドル)1時間足で出た節目をどう考察するかである。
画像ピンク①でいったん相場は下げ止まっている。
だが、②で上げ止まり、最安値の③まで下がっている。
ここで思考することは、画像ピンク①を超えて下がっているということ。
③が安値になるのに対し、①はネックラインになる。
巷のトレーダーがどういう線として判断しているかは別にして、
僕はこの①の水平ラインをネックラインとして捉える。
なので、この①の水平線を重要な水平線として意識してきた。
最安値の③から上昇し、重要な水平線まで戻ったのだ。
この線をネックラインと認識するのだが、ここで相場がどうなっていくのかというのが、
僕のチャート研究では程よい考察材料になる。
重要な線の画像黄色の④まで値段をつけたということは、
上がるか下がるかの基準点まで到達したと判断できる。
もちろんこの線を意識するトレーダーも多いと推測できる。
その理由は、④で一旦上げ止まったという事実がチャートで確認できるのだ。
それなら、ここで下がるのか?
と注目していた相場だった。
節目のラインが効いているなら、ネックラインとして機能していることが確実になるか
ネックラインとして機能しなかったのが確実になるかというだけだ。
よくチャートパターンはこういうもだとインターネットや書籍などで学ぶと思うが、
それはそれで間違ってはいないと思う。
しかしながら、チャートパターンが機能しているか、それとも機能していないかというのを認識することこそ、トレードで生き残っていける思考法になると僕は信じている。
教科書どうりのチャートパターンで生き残れるほど、相場は甘くない。
チャートパターンは機能することもあれば、機能しないこともある。
だからこそ、僕はチャートパターンが機能しているという確信がなければトレードしない。
初心者時代はチャートのどこをみて良いのかよくわからなかった。
しかしながら、チャート研究をしてきて言えるのは、
チャートは参加者の人々の思いが表現される世界の中だと感じる。
いったん止まったのは、そこに市場参加者の信念が垣間見えるからだ。
チャートで見える重要な水平線がある。
だからこそ、そこにいる市場参加者の思考がトレードの方向性を決めている。
だから今回は下がったと思う。
今回は、僕が感じていたネックラインが正解だったと僕の中だけで認識できたのだ。
トレードでネックラインを別に引く者も多い。
だが、僕はそれはそれでトレーダーのこだわりみたいなものを感じる。
相場に絶対はない。
だから、どこにネックラインを引こうと個人の自由だと思うが、
その判断が正しいのか、それとも正しくないのか、ということよりもとても大切なことがある。
それは、自分が信じたラインをその時間帯でどういうラインとして市場参加者がみているかということだ。
相場では、いろいろな考え方をしている参加者がいる。
その理由として、相場は必ず「波」をつくるということだ。
買いたい人もいれば、売りたい人もいる。
その思いが波となってチャートに映し出される。
僕は、自分の信じる線(ライン)が機能したらそのラインが強いと感じる。
逆に自分の信じる線(ラインが)機能しなかったらそのラインは弱いと感じる。
ネックラインは、その時の相場の判断基準を悟る道標。
僕にとっては大切なラインであることに違いはないチャートパターンだ。
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