初心者のころ、雇用統計で稼ぐ方法はあるのかと追求したくなるときもあった。
なぜなら、雇用統計後の相場は大きく動く可能性があるからだ。
僕自身、雇用統計で利益を得る方法をいろいろ検証してきた。
実際に稼ぐことができたのか?
そう問われるなら、稼ぐこともできたし、大損したこともあると答える。
つまり、雇用統計後のトレードは結果次第となってくる。
雇用統計直後のエントリーを狙うトレーダーも多い。
しかしながら、僕は、雇用統計直後にエントリーすることはしない。
雇用統計直後は、相場が動くことが多いのだからエントリーしたくなる気持ちにもなってくるのも当然だ。
だが、大きく動くということは、大きく負ける可能性もでてくる。
この単純なことがわからないうちは、トレードで大儲けしたいただの夢物語だけで退場してしまう。
なぜなら、相場は動かせない。
昔は、雇用統計直後に利益を得るトレードをしていた時期もあった。
雇用統計直後の動きから、1分以内にエントリーをする手法だ。
うまくいけば一瞬で利益を得ることができる相場直後のエントリーだが、
そのやり方で利益を得ていたのである。
だが、うまくいったのもつかの間、ある日、大損をしてしまったのである。
とある年の雇用統計、その日もいつものように雇用統計直後のエントリーを待ち構えていた。
雇用統計発表後にローソク足は一気に動きはじめたのだが、その1秒後、
ここぞとばかりに、買いエントリーをした。
買いエントリーをした理由は、買い気配を感じた。
ただそれだけである。
ド素人の考え、かもしれないエントリーであった。
上がるかもしれない。
ただそれだけの理由で、全財産を買いに賭けたのだ。
かもしれない予想、自動車の運転なら最高の危険予知だと思うが相場は違う。
たまたまエントリー直後、運良く買い方向に上昇していった。
ニヤッとした自分。
あがるぞ、ラッキー。
そのニヤッとした自分の顔が少し汚い顔にみえた。
だが相場はどんどん上がっていくので、嬉しい反面、ローソク足のスピードに好意をもった。
「やったー、勝てる」
「勝てるぞっ」
意気込んでいたその瞬間、ローソク足はピタッと止まった。
おぼろげな記憶だが、その時点では、100ピップスほど上昇していたと思う。
だが、ピタッと止まったローソク足になんの疑いもなかった。
まだ上がるだろうという根拠のない自信だけしかない、ギャンブル中毒的な思考しかなかった。
その直後である。
ピッタと止まったローソク足は、一気に下がりはじめたのである。
それも驚くほどのスピードで下がっていったのである。
その時は、この下がるスピードで損切りするという思考がまったく追いついていかなっかった。
下がるスピードのほうが自分の思考より早いのだ。
この感覚は、例えるなら、海の中で1人サメの大群に襲われて動けなくなった恐怖の瞬間である。
サメに襲われる前の思考がどのような思考になるか想像できるならその恐怖が実感できるはず、
動こうにも恐怖で動けないというものだ。
雇用統計後のローソク足のスピードとはそれだけ1ミリも動けないほど素早いことがあるのだ。
もちろん、まったく動かないときもある。
だが、1度そのスピードにつかまってしまったのなら、
もう逃げ切ることはできない。
自分のエントリーした方向が買いなら、上がれば良い。
だが、上がったとしても、ロケットが爆発し墜落したかのように逆方向に猛スピードで急降下してくるような急落にあえば、
短時間で1円(100ピップス)損することだってあるのだ。
もちろん逆指値をいれておく手もあるが、上下の変動が多ければ多いほどなんの意味もなくなってくる。
仮に、損切りが間にあわなかった場合、その損に思考が平常心でいられるのかということが問題だ。
1円(100ピップス)損をしても、平気なら問題ないが、
その日に100ピップスとりかえすのも結構大変になってくるものだ。
では、雇用統計後にエントリーしないほうが良いのか、だがそれも少し違う。
雇用統計直後にエントリーすることと、雇用統計後のエントリーすることとはまったく違うのだ。
雇用統計後にエントリーしなければならない理由がそこにあるのか?
雇用統計後の動きに注目し、その結果によっては、思考の整理をしてエントリーするかどうかの判断をしていく。
「雇用統計で稼ぐ方法」
ここで、どうすれば雇用統計で稼ぐことができるのか考察してみたい。
①下手な小細工はしない。
直後に10ピップスの逆指値をおき、近場で損切りを置いてトレードエントリーするやり方をしていたが、
結局相場の動きが大きく変動すればギャンブルとなりうる。
だからこそ、一か八かの勝負はやめておこうと決めている。
下手な小細工をしてたまたま勝てたからといってどうだっていうのだろう。
その日に勝てたからといって、1ヶ月後同じ手法で勝ち続けることができるのかといえば絶対ではない。
小細工(損切り)を設定しておくことで、最悪になった場合のために保険で守っておこうとする考えは良いが、
しょせん、なんの根拠もないトレードになってしまう。
根拠のあるトレードだけする。
②「動きが収まったときに考察する」
動きが大きいならまだエントリーの考察とまでいかない。
大きな動きが収まってから、エントリーするかどうか考察していく。
動きががどうなったのか、上げ下げしていないか、トレンドは出ているか考察していく。
③「押し目戻り売りを狙う」
押し目や戻り売りのポイントがでたのか確認する。
それが確認できないのならエントリーしない。
押し目や戻り売りのポイントが出てやっとエントリーするべき場所なのか少しずつ思考を整理していく。
④「エントリーするべき局面」
雇用統計後は、損切りになったトレーダーも多いはずだ。
相場で勝つとは、すなわち、相場で負けた者の逆をいくことで勝つ。
相場で勝ったのは上げ派か、下げ派か、考察しなければ押し目も戻り売りもない。
どちらが勝ったのかを見極めていく。
勝ったほうについていくのが、相場の原点だ。
負けたほうについていくのは馬鹿げているし、
負けたから損切りになり、勝ったほうに動くのが相場の原点だからだ。
どっちが勝ったのか、はっきりした直後に猛スピードでエントリーしていく。
どちらが勝ったのかがわからないならエントリーは見送ることにしている。
これはマイルールだ。
相場だけに、どこでレンジになるかわからない。
大きく動いた後、レンジに移行する場合だってあるのだ。
いつも通り、ローソク足の動きに惑わされずに冷静に考察していく。
⑤「エントリーの後の視点」
エントリーした後の思考も大切にする。
エントリーしてうまく予想どうりにいったとしても、
エントリー後の視点も常にもっておく。
予想どうりに行けば行くほど、人間油断というものが芽生えてくる。
油断は、負けのときには芽生えないものだ。
自分が油断しないように、心と思考を保つことが先決になる。
さらに、油断があるからこそ損切りできないといった油断が出てくるものでもある。
雇用統計は、あくまでも結果であるが、
その結果によって、人々がどうゆう思考になるのかが問題でもある。
ある者は上がる、ある者は下がる、ある者は売りたい、ある者は買いたい、
それぞれの思考があるなかで、現実的に相場が最終判断していく。
それは、雇用統計後だけではない。
雇用統計で得た情報をもとに判断していく者もいるだろうが、
それ限りではない。
問題なのは、勝者はどう思っているのかの方を考えていくことの方が答えを探しやすくなってくる。
雇用統計後の結果で、勝者が多いのか、敗者が多いのか、
その部分を考えてみることも無駄ではないと感じている。
というのも、勝者が多いのか、敗者が多いのか、
どちらが勝っているのか、どちらが負けているのか、
それを判断するための地図としてチャートパターンがある。
雇用統計直後では、地図としてのチャートパターンは正確には読めないことの方が多いような気がしている。
正確にチャートパターンをみて判断できる場所が僕のエントリー場所だ。
地図のわからない場所でどこに行きたいのか、どこに向かいたいのかわからないのに旅に出るものはいないし、わざわざわからない場所に旅にでることもない。
旅にでるのなら、すべてとまではいかないが、ある程度その土地の場所くらいは理解してから行くものだと思う。
そこが、直後にエントリーするか、直後の結果によってエントリーをするのかの分かれ道でもある。
そう考えると、雇用統計で稼ぐ方法を見つけることができるのかもだんだん見えてくるように思う。
雇用統計で稼ぐことができれば良いのだが、これは未来の動きによっても変わってくる。
雇用統計で稼ぐ方法は、雇用統計後の結果次第だともいえるのだから、雇用統計だけにこだわらず、焦らなくて良いと感じている。
雇用統計よりもたくさんとれる時は必ずくる、だから焦らなくても良いのだ。
他の誰よりも自分に言っている。
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